自動倉庫システムの定義

自動倉庫システムは無人倉庫システムとも呼ばれています(英:Automated storage and retrieval system、略語AS/RSまたはASRS)。自動倉庫システムは倉庫管理の自動化技術の一種で、電子、機械、在庫管理が統合された自動化システムです。貨物を自動かつ迅速、正確に入出庫できることが自動倉庫システムの特徴です。

 

 

産業応用の範囲

自動倉庫システムはさまざまな業界で使用できます。例:加工、EC、アパレル、半導体、物流、医療業界など。

 

 

自動倉庫システムと一般的な倉庫との違い

  1. 1.  スペース

一般的な倉庫は場所や高さなどの制限を受けやすく、入出庫を効果的かつスムーズに行うことができません。そのため、1か所の工場に同種類の物品を保管する倉庫が複数あり、倉庫管理担当者が倉庫間で物品を探したり運んだりするのに時間や労力がかかります。
自動倉庫システムは数階建ての大型倉庫で、自動管理の倉庫構造やソフトウェアシステムが備わっており、すべての原料、半成品、製品を保管できます。保管場所を効果的に管理することで、散在や紛失を防ぐことができます。

 Warehouse

 

  1. 2.  入出庫の流れ 

一般的な倉庫では入庫前の検収時、倉庫管理担当者は適切な保管場所を目で確認するため、スペース不足が発生しやすく、同じ製品があちこちに散在します。また、スペースを確保するために他の製品を移動しなければならず、入庫プロセスがスムーズにいかなくなります。
自動倉庫システムでは入庫前の検収時、はじめにコントロールモニターで空きスペースを確認でき、同じ貨物が異なるセルに保管されていても、システムが製品番号に従って出庫します。製品番号を選ぶだけですべての保管場所がコントロールモニターに表示され、製品を選ぶと台車が自動的に製品を出庫します。

Storage and retrieval process

 

  1. 3.  貨物管理

一般的な倉庫は平面のオープンスペースで、物品の紛失や見つからないといった状況がよく発生します。管理が難しく、在庫やコストの増加といった悪循環が発生します。

自動倉庫システムは密閉式の立体スペースで、ソフトウェアで操作してピックアップします。パスワードで管理できるため物品の紛失が発生せず、探すのが容易になります。管理が簡単で、在庫の簡素化とコストの削減を実現できます。 

3.	Product management

 

  1. 4.  ムダ取り改善

一般的な倉庫では運搬に人の手が必要で、在庫管理および製造担当者が互いに入出庫に関する情報を確認しているため、毎日時間のムダが発生しています。さらに、天井クレーンやフォークリフトの数にも限りがあるため、製造担当者が材料の到着を待つ時間もムダになっています。
自動倉庫システムは機械で運搬するため、効率的かつ迅速で安定しています。また、動線を適切に設計することで、製造担当者が倉庫に赴いて出庫するプロセスを省くことができます。製造担当者が材料や金型を待つ時間が短縮され、効果的な指示とスケジューリングにより操業度が100%向上します。

 

product management

 

 

自動倉庫システムのメリット

    • 高密度保管:2階以上のスペースを設計することで、保管の密度を高めることができます
    • 迅速で信頼性の高い自動作業:自動台車およびコンピュータシステムにより、ピックアップ、入庫、運搬プロセスの効率化と安定化を実現しています。
    • 倉庫のスペースを効果的に使用:すべての保管場所で各製品を効果的に分類し、コンピュータが入出庫履歴を記録するため、混乱が発生しません。
    • 倉庫管理担当者の作業効率の向上:コンピュータシステムがすべての入出庫履歴を記録するため、問題点にさかのぼることができます。
    • 大気汚染、騒音の防止:自動台車によるピックアップや入庫のため、フォークリフトによる排気ガスやエンジンの騒音が発生しません。
    • 運搬サイクル・タイムの短縮:自動化されたスピーディーな運搬で、人の手による運搬よりも1回あたりの運搬時間を短縮できます。.
    • 労働災害の防止:操作担当者が倉庫に入らなくても貨物を管理できるため、物品の落下による労働災害を防止できます。

 

 

自動倉庫使用時の注意事項


質の高い自動倉庫システムを選ぶ:質が高く評判のいい自動倉庫システムを選ぶことで、長期的なメンテナンスが容易になります。

先入れ先出しの原則を守る:材料や製品の長時間放置による劣化を防ぎます。

  • 自動倉庫システムと会社のERPシステムを統合する:複数の部門の作業プロセスがスムーズになるように、物流管理と財務管理を同期します。
  • 作業プロセスの基準を確立する:将来的に新しい担当者が参考および学習できるよう、倉庫システムの自動化プロセスに関するすべての標準化ドキュメントを作成します。
  • 教育トレーニング:倉庫管理担当者は、操作プロセス、安全知識などに関する教育トレーニングを受けなければなりません。労働災害(怪我)を防止し、システムの操作をすぐに覚えられるようにします。
Precautions

 

 

自動倉庫システムは基本的に以下のタイプに分けられます。すべてのタイプでさらにカスタマイズが可能です。

  • パレット式自動倉庫システム

運搬にパレットを使用し、大型の物品の入出庫に適しています。パレット式自動倉庫では、通常1台または数台のコンピュータのみで入出庫が行えます。パレット式自動倉庫システムは、さらにシングルディープとダブルディープに分けられます。シングルディープは2次元の入出庫で、セルにはセルの深さのみのパレット保管スペースがあります。ダブルディープは3次元の入出庫となり、セルに複数の深さの保管スペースがあります。通常、ダブルディープ式のパレットはより多くの物品を保管できます。

 

  • 超高密度パレット自動倉庫

パレット式自動倉庫システムを基本とし、セル配列に深さを追加しています。超高密度パレット自動倉庫システムは、飲料業界など、製品の種類は少ないものの数が大量にある業界に適しています。

 

  • ミニロード型自動倉庫システム

 

Mini load AS/RS

 

運搬にミニロードを使用し、小型の物品の入出庫に適しています。ミニロード型自動倉庫システムは、少量の商品を階層ごとに分けて保管し、大量に補充できるのが特徴です。大量の注文プロセスを完了するために後続の検査システムと連結させる必要があります。

 

material boxes  Mini load Automated Storage and Retrieval System

 

ミニロード型自動倉庫システムは、物流センター、小売、冷凍、医療・保健、紡績業などに適しています。.

 

 

おわりに

部品製造工場であるLAYANAは、企画本部にて共同で自動倉庫システムを計画しています。本工場はシングルディープ、入出庫コンピュータ2台のパレット式自動倉庫システムを使用しており(付図)、当社のニーズに合わせてすべての原材料、半製品、完成品、製品、金型を効果的に管理できます。1階から4階までの吹き抜けで、1スペースあたり1トンの重量を保管できる収納スペースを合計840スペース設計しています。

 

 

製品やサービスに関するご質問は、お気軽にお問い合わせください。

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